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【注目は地方?】コロナショック後のタイ旅行はどうなる?

タイ・プーケットのピピ島のビーチに浮かぶボート

4月27日、タイ行き航空機(政府や軍用、貨物輸送などは除く)の飛行禁止期間が5月31日まで再延長される旨が発表されました。(タイ民間航空局より)

全世界でも終息はおろか、収束に向かう気配すら未だに見えません。
出口の見えないトンネルは、実に苦しく、暗い部屋にずっと閉じ込められているような気さえします。

コロナショック後は、様々な環境が大きく変わると叫ばれていますが、海外旅行はまさにその筆頭格とも言えます。

既にヨーロッパの国々では、今夏の旅行シーズンから外国人観光客の受け入れを再開すべく、各所で準備が進んでいます。

オーストリアでは入国規制の解除が検討され始め、ポルトガルの有名ホテルチェーンでは、ソーシャルディスタンスを確保したレストランのテーブルの再配置やビュッフェに代わるメニューの開発など、来るべき日に向けて慌ただしい日々を過ごしている模様です。

では、タイ旅行はどう変わるのでしょうか?

タイ国政府観光庁が観光業者を対象とした独自の認証制度をスタート

タイ国政府観光庁は、官民共同で「アメージング・タイランド・セーフティー・アンド・ヘルス・アドミニストレーション(SHA)」認証を立ち上げたことを発表しました。

これは観光業界の衛生安全基準を定めるもので、宿泊施設や飲食店などが対象となる認証制度とのことです。

具体的な内容やプロセスは準備段階ですが、現在までに決められた評価基準は以下の通りです。

・観光業者は、保健省の疾病管理部門によるCOVID-19管理ガイドラインに従うこと。

・アトラクションや施設は、地方文化の維持や現地コミュニティーと観光客との交流を進める一方で、開発計画や事業展開にあたっては、観光客の安全性を確保すること。

・ホームステイ、宿泊施設、土産物店、飲食店などのサービス業では、予防策と消毒を徹底すること。

・自家用車、公共バス、航空会社など輸送機関における安全性と衛生基準と同様に、コミュニティーと観光施設との間でも清潔さ、安全性、利便性を高めること。

・観光事業従事者は、観光客に対する安心安全の取り組みを確実に行うこと。

引用:travel voice

これまで以上に安全第一な観光になることは間違いなく、逆に言えば、このSHA認証をパスできる業者が観光客に支持され、早期回復を実現できることになることでしょう。

3密回避でタイの地方が盛り上がる?

タイ・スコータイの遺跡

言うまでもなく、「3密」はしばらく脳裏から離れないワード。
また、それは日本人に限らず、“密”に対する抵抗感はそう簡単に拭いきれるものではありません。

しかし、タイ旅行で圧倒的な人気を誇る首都バンコクは、東京-横浜エリア以上の人口密度です。

そこで、タイの地方にスポットライトが当たると考えられています。

ゆったりとした時間が流れる地方都市は、古き良きタイを楽しめるとして、ビギナーからも注目を集めることになるのではないでしょうか。

タイ国政府観光庁の公式サイトではバーチャルツアーが楽しめる

現在、タイ国政府観光庁の公式サイトでは、タイのバーチャルツアーを案内しています。

今回紹介されたのは、サケーオ、サムットソンクラーム、スコータイ、チャンタブリー、ナコーンシータマラート、ナコーンラーチャシーマー、パッタルン、パヤオ、プレーの9県(10カ所)。

スマホで手軽に、地方の観光地を臨場感たっぷりの3Dで楽しむことができます。

このバーチャルツアーは、今後更にスポットが増えていきます。


バーチャル体験で楽しむ 9県10の魅力(【公式】タイ国政府観光庁)
https://www.thailandtravel.or.jp/3d-virtual/

「Booking.com」の新プログラムで民泊が減少する?

世界最大手の宿泊予約サイト「Booking.com(ブッキング・ドットコム)」は、民泊を始めとした短期滞在型施設の清掃標準化プログラムを始めることを発表しました。

このプログラムは、清潔で安全な施設を旅行者に提供するためのもので、ホテルなどの清掃管理ツールを提供する会社と共同で進められています。

ホスト側は、アプリ内のチェックリストで清掃を確認。また、写真を通して遠隔から清掃状況を監視されるようになります。

この清掃管理システム、民泊プラットフォームの最大手「Airbnb(エアビーアンドビー)」内では、既に導入しているホストも多いのですが、Booking.comはもう一歩踏み込みました。

清掃が不十分な施設や基準を満たさない施設は報告され、改善が見られない施設はBooking.comのリストから削除されるとのことです。

そもそもタイには「ホテル法」があり、無認可の宿泊施設が1日あるいは週単位で部屋を貸し出すこと(民泊)は違法です。

最大手が動くとなれば、他社も何らかの形で同系統の取り組みを始める可能性が高く、運営や管理が杜撰なタイの“闇ホテル”が減少する流れになるかもしれません。

旅行中は今までより危機管理意識を持つことが重要

「経済がストップすれば失業者が増える、失業者が増えれば治安が悪くなる」。
医療崩壊だけではなく、世界中で“治安崩壊”が危惧されています。

タイ人の優しさや思いやりは、現地に住む私たちが身をもって感じています。

しかし、10人いれば10通りの考え方があるのが人間です。

アフターコロナで海外旅行できる外国人観光客=確実に大金を所持している、と思われても何らおかしくありません。

経済的影響を受けている人を対象に、政府による月5,000バーツ(約1万7,000円)が3カ月間支給される支援もスタートしていますが、それで事情が解決される人が果たしてどの程度いるのでしょうか。

不用意に怖がらせるつもりはありませんし、タイは比較的安全に旅行できる国ですが、これまで以上に意識を高く持ち、「自分の身は自分で守る」という海外旅行の鉄則を再認識する必要があります。

まとめ

果たして自由に旅行できる日は、何カ月後になるのでしょうか…。

たとえ世界が変わったとしても、どんな形であれ、タイが世界中の観光客で賑わう国に戻ることを心から祈っています。

今後、事態が終息に向かうにつれて、各機関や企業の対応が次々に発表され、更なる変化が見えてくることでしょう。

また新しい情報や動きがあり次第、タイを恋しく想う皆さんにお伝えできればと思います。

まだまだ終わりの見えない戦いは続きます。
自分にできる最大限を心掛け、決して諦めず、この未曾有の危機を乗り切りましょう。