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タイ・バンコクから北朝鮮・平壌カウントダウンツアーに参加してきた話【旅行記③北朝鮮入国編】

北朝鮮・平壌旅行記の第3回、今回はついに北朝鮮に入国します!

入国審査を通過し、北朝鮮の田舎を走ること約9時間。首都・平壌の地を踏むまでの模様をお届けします。

前回、前々回は下記リンクからご覧ください。

北朝鮮シリーズ過去記事
注意
外務省からは、北朝鮮への渡航自粛要請が発令されています。(継続中)
また、日本と北朝鮮との間には国交がありません。当然ながら、大使館や領事館に相当する機関も設置されていないので、万が一の場合でも迅速な保護や支援を受けることは不可能です。
北朝鮮旅行に興味のある方は、以上のことを十分理解したうえ、全て自己責任で参加してください。
当記事は、渡航を勧めるものではありません。

さようなら中国、初めまして北朝鮮

北朝鮮ビザの原本を受け取る

北朝鮮の国境の町である中国丹東駅のチケット売り場

世界一安いヒルトンをチェックアウトし、丹東駅のチケット売り場に集合時間(8:30)ピッタリに到着。

ちなみに、ヒルトンの朝食ビュッフェも食べましたが、信じられないくらい不味かったので割愛します。

ここで今回のツアーに参加する他の日本人と合流です。

私たち以外の4名は、まさかの全員北朝鮮への渡航経験者(笑)。
わざわざ年末年始に平壌に行くという、日本屈指のディープな旅行者が揃いました。

旅行会社からは、「丹東駅ではチャンさんという中国人がアシストしてくれます」と言われていました。

そのチャンさんは、私たちに北朝鮮ビザを渡し、イミグレーションまでの道のりを指差したらお役御免で帰宅。

アシストとは一体。

北朝鮮ビザが書いてあるツーリストカード

こちらが北朝鮮ビザの原本です。

中身は、入国審査(書面)で送った顔写真、名前や生年月日、パスポート番号と有効期限など。当然、全てハングル文字で書いてあります。

このビザは、北朝鮮を出国する際に回収されてしまいます。

中国丹東駅の待合室

荷物検査を終え、全員でイミグレーションへ向かいます。

全員1~2分で終了する中国の出国手続きでしたが、私と友人だけ止められて軽く尋問タイム。

「パスポートのスタンプが多すぎる」という良く分からない理由で怪しまれ、職業や色々な説明を求められました。

北朝鮮との国境なので、中国側もそれなりに神経質ですね。

北朝鮮行き列車の丹東駅の待合室

待合は意外と広く、小さな売店と免税店があります。

ついに乗車、目の前には平壌行きの文字

出発15分前、改札が開きホームへ進みます。

目の前には、私たちを独裁国家へ連れていってくれる国際列車。

丹東発平壌駅の国際列車

「平壌」

この国際列車に乗ったら最後、4日間はどう足掻いても北朝鮮から出られません。
乗る瞬間の気持ちの昂ぶりは、一生忘れることはないと思います。

そして、大きな汽笛を上げ、定刻通りに平壌行きの国際列車は出発。

北朝鮮・平壌行き国際列車の車内

往路で利用する高級寝台車は、古さはあるものの、小綺麗な車内です。

北朝鮮・平壌行き国際列車の寝台

室内は、下段ベッド兼座席と上段ベッド×2。

アジアでよく見る寝台車と同じような作りですね。

中国から北朝鮮に入る瞬間

列車は、昨日見た橋の上をゆっくりと走り、国境を流れる鴨緑江(おうりょくこう)を渡っていきます。

丹東出発後、10分と経たずに北朝鮮の領土内に入ります。

北朝鮮の新義州駅で撮ったスクリーンショット

北朝鮮の領土内に入っても、国境付近はギリギリ中国の電波が入ります。

画像の通り、普通に北朝鮮内で位置情報も利用でき、SNSも何とかアップできるので、”北朝鮮なう”も可能です。

北朝鮮最初の駅、新義州駅で入国審査を通過せよ

北朝鮮軍人と緊張の初接触

北朝鮮・新義州駅の金日成と金正日の肖像画

丹東駅から15分、北朝鮮最初の駅「新義州(しんぎしゅう)駅」に到着。

金日成&金正日の大きな肖像画が迎えてくれます。

元・国家元首とは言え、故人の大きな肖像画が並んでいるという異様な光景。
さっきまでの興奮はどこかに飛んで行って、これからこんな国に4日間も滞在するのかと思うと、まだ入国手続きすらしていないのに、不気味さと恐怖で早々に引き返したい気持ちでいっぱいになりました。

この2人の肖像画は、後に気が狂うほど見させられることになります…。

この新義州駅は、北朝鮮の出入国審査がおこなわれる場所です。
乗客全員、時間をかけてチェックされるので、この駅での停車時間は約3時間。

列車が駅に着くと、車内に続々と北朝鮮軍が乗り込んできます。

北朝鮮入国で使用する用紙

パスポートとビザを渡す際、北朝鮮軍人と初接触。

以前、バンコクにある北朝鮮レストランで食事をしたことがあるので、北朝鮮人民とは2度目の接触となりますが、軍人はもちろん初めてです。

上官らしき人が絡んできましたが、すごいフレンドリーなのが逆に怖い…。

とりあえず、奴は私たち日本人グループから色々なお菓子とタバコ1箱をかっさらっていきました(笑)。

入国審査には、諸外国と同様に入国カードがあり、記載する内容もそこまで変わりません。
ただし、パソコンや携帯電話の数、GPS機能が付いた機器の数、出版物の数など、北朝鮮特有の項目もありました。

北朝鮮入国の際の荷物検査の風景

そして、ついに恐怖の荷物検査が開始。

カバンをひっくり返されて隅々までチェックされた話、パソコンやスマホ、カメラの中身をチェックされた話、逆に何も見られなかった話など、ネット上でも情報が錯綜していて、何が真実か分かりません。

日本人グループの担当は、若い軍人でした。

軍人A「カバンはいくつある?」
私「2つです」
軍人A「携帯電話は?」
私「2つです」
軍人A「よし、OK」

えっ???

荷物検査終了。

逆にこっちからカバン開いて、「中身チェックしないの?」って何故か北朝鮮軍人に気を使ってしまいました(笑)。

私はこんなで終わりましたが、モバイルWi-Fiを持っていた人は色々と面倒くさそうでしたね。

ちなみに、当たり前のように写真撮影していますが、金ファミリーの肖像画や軍人にカメラやスマホを向けるとめちゃくちゃ怒られます。
よい子の皆さんはマネしないように。

北朝鮮・新義州駅の売店

初挑戦、北朝鮮ビールが美味い!

検査が終われば、トイレやホームに出ることが許可されます。

しばらくすると、ホームに売店も出てきます。
商品のラインナップは、北朝鮮産ビールやおつまみ、お弁当など。

乗客全員の入国審査が終わり、パスポートとビザが返却されるまでは何もやることがないので、ひたすら飲み食いして時間を潰すしかありません。

北朝鮮の大同江ビール

こちらは、北朝鮮を代表するビール「大同江(テドンガン)ビール」。
日本で販売しようとすると逮捕される、別名”幻のビール”です。

このビールは本当に美味しい!

濃厚でコク深い味わいは、日本の大手ビールにも似ていて、後味がスッキリしているので、とにかく飲みやすいビールです。

日本に流通したら、普通に大ヒットするのでは?と思えるほどです。

値段は、たしか10元(約150円)だったと思います。平壌市内では更に安くなります。

北朝鮮産のタバコ7.27

また、売店では北朝鮮の国産タバコも販売されていました。
せっかくなので、貰いタバコで一服。

ビールは最高でしたが、これはマズい…。
ものすごく安っぽい味がします(笑)。

銘柄の「7.27」は、北朝鮮の祝日で朝鮮戦争が休戦した日のことです。
「祖国解放戦争勝利記念日」といって、北朝鮮ではアメリカに”勝利”したことになっています。

北朝鮮行き国際列車内の食堂車

陸路移動のメリットとして、平壌に着くまでガイドや監視がいないので、列車内だけですが、自由に行動できる点があります。

こちらは、食堂車の様子。ここが車内で一番撮影にうるさかった場所ですね。
素敵な笑顔で接客をしてくれるお姉さんも、写真を撮っているような動きを見れば、「Nooooo!!」と豹変します。普通に怖い…。

コース料理のメニューもありましたが、ママー(タイのインスタントラーメン)を炒めたような麺料理が運ばれている様子を見て、注文する気がなくなりました(笑)。

北朝鮮のビザに押される北朝鮮入国スタンプ

そうこうしているうちに、パスポートとビザが返却され、これにて無事に入国審査が終了。
北朝鮮の入国スタンプは、パスポートに直接押されることはなく、ビザの裏面に押印されます。

北朝鮮の田舎は何もない、まさに発展途上国の景色

北朝鮮・新義州駅から出てすぐの踏切

約3時間、全乗客の入国審査が終わり、ゆっくりと平壌へ向けて走り出します。

新義州市は、人口約29万人の都市で、一応国内の特別行政区になっています。

北朝鮮・平壌行き国際列車から見る田舎の風景

最初は、建物があり、バスも走っていましたが、町は一瞬で終わり何もなくなります。

たまに駅があり、一応停車もしますが、人の乗り降りはほぼなく、北朝鮮軍人が待機しているだけです。
そして、駅には必ず金ファミリーの大きな肖像画が設置してあります。

あとは、上の動画のような景色がひたすら続きます。

北朝鮮の田舎の風景

タイやその他アジアでも、1~2時間くらい走れば大抵は町に辿り着きますが、北朝鮮はとにかく町らしい町がありません。

たまに小さい集落があるくらいで、基本の移動手段はボロボロの自転車、電線が全然無いので電気が通っている様子もなく、とにかく貧しさだけが際立ちます。

まさに発展途上国の景色。

ただ、不思議なことに、こちらが車内から手を振ると、満面の笑顔で振り返してくれたり、家族で笑い合っていたり、貧しさから来る”辛さや苦しさ”みたいなものが一切見えてきません。

これは列車の乗務員にも言えることですが、皆さんどう見ても作った笑顔じゃなくて、ものすごく自然に笑ってくれます。
タイよりよっぽど微笑みの国です。

これが北朝鮮人民の本当の姿なのでしょうか。

北朝鮮の首都・平壌に到着!

30年以上前かた建設し続けている未完成の滅びのホテルこと北朝鮮・平壌の柳京ホテル

平壌に近付くと、一気に建物が増えます。

高層マンションや煌びやかお店なども多く、何もない野原から一気に町が現れる、何とも気味の悪い街づくりです。

ただし、町に街灯が全然ないので、外出している人たちは懐中電灯を持って歩いていました。とても令和の時代とは思えませんね。

写真の「柳京ホテル」は、30年以上前に着工したものの、資金難もあって未だ完成していない“滅びのホテル”です。
恐らく、外国人が通る時間帯にかけてライトアップすることで、国力をアピールしています。

こちらからしたら、街灯もないのに、アピールもクソもないと思いますが…。

北朝鮮・平壌駅のホーム

中国・丹東出発から約9時間。無事に北朝鮮の首都・平壌到着!

無駄に広いホーム、当然ですが周りには北朝鮮人民しかいません。

列車を降りると、ガイドと監視役の2人が待機していたので、ここで合流。
いよいよ完全監視旅行が始まります。

北朝鮮・平壌駅の改札

ガイドはPさん、同行者のRさんは上司に当たります。
2人とも朝鮮国際旅行社の人間で、外国人のツアーは全てこの会社が担当するようです。

北朝鮮・平壌から走るマイクロバスからの写真

平壌の街並みは、歴史的な建造物はほとんどなく、近代的な建物が立ち並んでいます。

一見、先進国的な都会にも見えますが、とにかく明かりが少ない。
高層コンドミニアムのような建物やビジネスビルがたくさんあるにも関わらず、ほとんどの部屋が真っ暗。

単に住める経済力のある人間が少ないからなのか、経済制裁の影響からくる電力不足で節電しているのか、町が張りぼてで薄気味悪い印象しか受けません。

核実験に電力使っている場合じゃないだろうと。

ガイドから察する北朝鮮での暗黙の了解

専属ドライバーとも合流し、マイクロバスで北朝鮮での初めての食事へ向かいます。

その道中、北朝鮮の基本情報や歴史についての説明を受けました。

その際、国名のところで、「略称は【朝鮮】や【共和国】と言います、日本では【北朝鮮】と呼ぶみたいですね?」と謎の疑問形。

自分たちが朝鮮半島の雄だという意識があるので、北が付くのは納得いかないのでしょう。

この国にいるうちは、北朝鮮と呼べないことを察しました。

また、同時に【韓国】に関しては、【南朝鮮】と呼称していたので、こちらもお察し案件。

併せて、指導者に付ける敬称にも注意が必要です。

・金日成→主席
・金正日→総書記
・金正恩→委員長

ただただ面倒くさい(笑)。

北朝鮮・平壌のカウントダウンイベントとは一体⁉

今回参加したカウントダウンツアーは、12月31日から始まるツアーなので、到着から数時間後にメインイベントが待っています。

19:00に到着したら、サッと食事をして、ホテルにチェックイン。
ひと休みしたらすぐに花火会場へ向かうというハードスケジュール。

初日から考える余地がないほど、ギチギチに日程が組まれています(笑)。

次回は、平壌カウントダウンイベントの様子をご紹介します。