中国・湖北省武漢市で発生し、猛威を振るう新型コロナウイルスによる肺炎。
日本の各メディアでも連日最新情報が報道されています。
2019年12月末に公表され、年明けから公表感染者数が激増。
感染は中国国内から世界各国に飛び火し、その勢いが衰える様子は未だ見られません。
そして、私たちの住むタイは世界で2番目に感染者の多い国です。(※2020年1月28日現在)
今回は、新型コロナウイルスの症状やタイ国内の感染状況など、現段階までの情報をまとめてお知らせします。
また、個人で出来る基本的な予防対策についてもご紹介します。
意識を高く持ち、ウイルスの感染を防ぎましょう。
※タイ国内の最新情報に関しては、随時更新します。
2020/07/02 タイ政府からの発表を追記
目次
新型コロナウイルスとは?
引用:国家病原微生物资源库 (中国疾病预防控制中心)
コロナウイルスとは、人獣共通で広く感染症(発熱や咳など)を引き起こすウイルスです。
人に感染するコロナウイルスは、これまで6種類が知られていましたが、今回武漢で発生したウイルスは、そのどれにも当てはまらない新型のコロナウイルスでした。
通常、感染しても風邪程度の症状にとどまるとされているコロナウイルスですが、中には重度の感染症を引き起こすウイルスもあり、2000年代初頭に同じく中国でアウトブレイクしたSARS(サーズ)はその一種です。
2020年1月13日、WHO(世界保健機関)は、本ウイルスを「2019-nCoV」と命名しました。
新型コロナウイルスによる肺炎の症状や治療方法
潜伏期間
中国の国家衛生健康委員会と国家中医薬管理局が公表したガイドラインによると、一般的な潜伏期間は3~7日。最長で14日程度とされています。
潜伏期間中に自覚症状が起きないという特徴があり、感染性を保ったまま日常生活を送れることが流行に繋がっているとも言われています。
初期症状
初期症状は、発熱や咳、倦怠感など。ただし、特定のパターンが決まっているわけではなく、吐き気や下痢、その他消化器系の異常、頭痛なども確認されています。
症状が風邪の引き始めに近く、肺炎に至らず1週間程度で回復する感染者も報告されているので、検査キット以外での見極めは非常に難しいようです。
発症後(後期症状)
発症後の主な症状は、高熱、咳や息苦しさ、関節痛や筋肉痛など。インフルエンザに似た症状が確認されています。
WHOによると、約20%で重症化し、重度の肺炎や呼吸困難、腎臓機能の低下が見られるとのことです。
死亡した感染者は、免疫機能を低下させる持病(糖尿病など)のある方が多く、致死率は2~3%で推移しています。(2020年1月28日現在)
ワクチンや有効な治療方法
現在までにワクチンや抗ウイルス薬はなく、対症療法がおこなわれています。
新型コロナウイルスの感染経路
現時点では、2種類の感染経路が考えられています。
飛沫感染
感染者が咳やくしゃみをした時にウイルスが飛び散り、それを鼻や口から吸い込むことで感染。
接触感染
感染者が咳やくしゃみを手で押さえ、その手で周りのものに触れることでウイルスが付着。それを触り、自身の鼻や口を触ることで粘膜から感染。
タイ国内の新型コロナウイルス感染状況(1月28日まで)
2020年1月8日
武漢出身の女性(61歳)がスワンナプーム国際空港で高熱と診断され、緊急入院。
1月13日
検査の結果、陽性反応が検出。
タイ保健省は、タイ国内および中国以外での初めての感染症例を公式発表。
1月17日
タイ国内で2人目の感染者を確認。
1人目と同じく武漢出身の女性(74歳)で、入国時に高熱があり発覚。
1月22日
新たにナコーンパトム県のタイ人女性、旅行で訪れた中国人男性の感染を発表。
タイ人女性は、武漢への渡航歴があった模様。
1月24日
武漢から観光で訪れた中国人女性(33歳)の発症を確認。
1月25日
タイ南部ホアヒンにて、高熱により入院した中国人女性(73歳)の感染が発覚。
1月26日
タイ保健省は、タイ国内で確認した感染者が合計8人になったことを発表。(中国人が7人、タイ人が1人)
1月28日
新たに6人の感染が確認。そのうち5人は武漢から訪れた家族、もう1人は重慶より来訪。
タイ国内の新型コロナウイルス最新情報【随時更新】
1月29日
タイ東部シラチャのクイーンサバンバダナ記念病院は、感染の疑いがある中国人男性3人を受け入れたと発表。
→検査の結果、陰性で退院。
1月30日
タイのイミグレーションオフィスは、2020年1月の中国人の入国者数を発表。
(期間:2020年1月1~30日)
中国人観光客:約93万人(うち19万人は現在もタイに滞在中)
武漢からの渡航者:約2万人(うち2,600人は現在もタイに滞在中)
1月31日
タイ保健省は、現在までの感染者の動向などを発表。
(2020年1月31日までの状況)
感染者14人のうち6人は既に帰宅済み。
感染の疑い(経過観察)は202人。(内訳は空港:31人、病院:171人)
2月1日
タイ保健省は、新たに5人の感染を発表。これでタイ国内での感染者は計19人。
同時に、感染の疑い(経過観察)のある者も72人増え、現在274人になったことも発表。
マハラートナコンチェンマイ病院は、新型コロナウイルス感染発症者をチェンマイで確認したと発表。
感染者は、21日から入院し、31日におこなった検査で発覚。
2月3日
タイ保健省は、中国人旅行客の感染者にエイズウイルス(HIV)治療薬とインフルエンザ薬を混合して投与したところ、症状が改善したとを発表。
2月4日
タイ保健省は、新たに6人の感染者が確認されたことを発表。(計25人)
その内の2人は、日本旅行から帰国したタイ人夫婦とのこと。
また、感染の疑い(経過観察)は492人となったことも同時発表。
2月8日
タイ保健省は、新たに中国人4人とタイ人3人の感染を発表。これで国内の感染者は計32人。
感染したタイ人のうち1人は武漢からの帰国組、残り2人は中国人旅行者との関わりがあった模様。
2月18日
タイ保健省は、日本からの入国者にもスクリーニングを実施することを発表。
(その他対象は、現在のところ中国、香港、シンガポール)
熱のある人は、診断又は2週間の要観察を指示。
3月1日
タイ保健省は、新型コロナウイルスに感染した35歳男性が死亡したことを明らかにしました。
これまで42人の感染が確認されていますが、死亡のケースはタイ国内で初めて。
3月18日
タイ保健省は、国内の感染者が35人増加し、合計212人となったことを発表。
内訳は、死亡1人、重症3人、治療中169人、回復42人。
また、タイ政府は、感染拡大を防ぐためにバンコクと周辺県の娯楽施設などを2週間閉鎖すると発表。
パブやナイトクラブ、タイマッサージ店、映画館などのほか、ムエタイやサッカーのスタジアムなども対象。多くの人が集まるイベントも禁止。
3月21日
バンコク都は、3月22日から4月12日までの間、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、都内の人々が集まる施設を閉鎖することを発表。
対象となるのは、コンビニ、スーパーマーケット、薬局、レストラン(持ち帰りのみ可)を除いた商業施設。
また、美容室、フィットネスジム、ゴルフ場などの施設も閉鎖となる。
3月22日
タイ保健省は、新たに188人の感染が確認されたことを発表。
→タイ国内の累計感染者は599人。
3月23日
タイ保健省は、国内の感染者が122人増加し、計721人となったことを発表。
3月24日
タイ保健省は、新たに122人の感染を発表。これにより合計827人となる。
3月26日
タイ保健省は、25日時点の感染状況を以下の通り発表。
死亡4人、回復70人、累計感染者934人。
また、26日より非常事態宣言が実施。
特例を除いた外国人の入国禁止や国内移動の制限など、4月30日まで適用される。
詳細は、日本大使館のHPから。
3月27日
タイ保健省は、新たに111人の感染を発表。累計1045人。
3月28日
タイ保健省は、新たに109人の感染を発表。累計1245人。
また、バンコク都は、現在閉鎖されている施設の閉鎖期間を4月30日まで延長させることを発表。
3月29日
タイ保健省は、新たに143人の感染及び1人の死亡を発表。
これにより、タイ国内の累計感染者数は1388人、累計死亡者数は7人となった。
3月31日
タイ保健省は、3月31日時点の感染状況について発表。
新たな感染者は127人、累計感染者は1651人となった。
4月1日
タイ保健省は、4月1日時点の感染状況を発表。
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新規感染者数:120人
累計感染者数:1,771人
新規死亡者数:2人
累計死亡者数:12人
累計治癒者数:416人
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また、バンコク都は、屋台やコンビニの夜間営業(24時~翌5時)を規制し、公共及び民間の公園を全面閉鎖することを発表。
4月2日
タイ保健省は、4月2日時点の感染状況を発表。
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新規感染者数:104人
累計感染者数:1,875人
新規死亡者数:3人
累計死亡者数:15人
累計治癒者数:505人
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4月3日
プラユット首相は、22時~翌4時までの時間帯を対象とした夜間外出禁止令をタイ国全土に発令。(医療従事者や警備員、物資の運搬に携わる者などは除く)
違反した者は、2年未満の禁固刑、もしくは4万バーツ未満の罰金、ないしはその双方に問われる。
また、タイ政府観光公社は、4月10~30日までの間、プーケット国際空港を閉鎖する対策措置を発表。
4月9日
タイ保健省は、感染者のうち新たに2人の死亡が確認されたことを発表。
同時に、新規感染者は54人まで減少したことを発表。累計感染者数は2423人。
また、タイ内務省は、2020年3月26日以降に滞在許可の期限が到来する全ての外国人について、ビザの種類に問わず、3月6日~4月30日まで滞在期間を自動的に延長することを発表。
同日
チョンブリー県感染症委員会は、4月9日以降パタヤへの出入りを原則禁止とする指示を発出。
内容の詳細、検問についてはこちら。
4月12日
バンコク都知事は、4月10日~20日まで酒類の販売禁止を発表。
4月15日
タイ民間航空局は、4月18日23時59分までとされていたタイ行き航空機の飛行禁止措置を4月19日00時01分~4月30日23時59分まで再延長することを発表。
4月24日
内務省告示によると、タイに滞在する外国人は、査証の種類に問わず、2020年3月26日~7月31日までの間に滞在許可が到来する場合、7月31日まで自動的に滞在期間が延長となることが発表。
また、90日レポートについても7月31日まで報告をおこなう期間が延長となる。
4月27日
タイ民間航空局は、4月30日23時59分までとしていた、タイ行き航空機の飛行禁止期間を5月1日0時01分~5月31日23時59分まで再延長する旨を発表。
4月28日
プラユット首相は、4月30日までタイ国内全土に適用されている非常事態令及び夜間外出禁止令を5月31日まで延長することを発表。
5月1日
COVID-19問題解決センターは、コロナウイルス感染症に関する各種規制の継続並びに緩和措置などについて、決定事項を発表。内容の詳細はこちらから。
また、タイ民間航空局は、プーケット空港の運行禁止期間を15日間延長し、5月15日23時59分までとすることを発表。
5月5日
新型コロナウイルス感染症対策センターは、新たに18人の感染者が確認されたことを発表。(累計2,987人)いずれも入管施設に収容されている外国人不法就労者とのこと。
5月14日
タイ政府は13日、新型コロナウイルスの新たな感染者が確認されなかったことを発表。タイ国内で新規の感染者がゼロになるのは、約2カ月振り。
5月16日
タイ政府は、夜間外出禁止措置の1時間短縮(23時から翌4時)及び施設や活動に関する規制緩和を発表。内容の詳細はこちら。
5月22日
タイ政府は22日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、タイ全土に発令している非常事態宣言を6月末まで延長する方針を発表。
5月30日
タイ政府は29日、新型コロナウイルス感染症関連措置の追加緩和を発表。
6月1日より、夜間外出禁止令は23時から翌3時までに短縮。
加えて、県境をまたいだ移動や各種施設に関する制限の追加緩和が認められた。
詳細はこちら。
6月14日
夜間外出禁止令は6月15日以降の解除が決定。
また、6月15日以降、日常生活に関わるほぼ全ての施設や活動が各種感染予防措置を実施するとの条件下で、再開が認められる。なお、非常事態宣言は6月30日まで継続される。
6月19日
6月18日、日本政府・新型コロナウイルス感染症対策本部が、国際的な人の往来に向けた段階的な措置について、当面、ベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランドを想定として協議・調整をおこない、準備が整い次第、部分的・段階的な往来を試行的に行っていくことが決定された。
詳しくはこちら。
7月1日
タイ民間航空局は、7月1日より航空機及び乗客のタイ乗り入れに関する新たな告示を発出。
詳細や日本語訳に関してはこちら。
7月2日
タイ政府は6月30日付けの官報にて、6月30日までタイ国内全土を対象に適用することとしていた非常事態宣言を7月31日まで延長する旨を発表。
また、学校等の再開、各種施設及び活動の再開を決定。
タイ政府の新型コロナウイルス対策(※1月28日現在)
1月3日以降、タイ国内の各空港で全ての乗客に対して赤外線サーモグラフィーによるスクリーニングを24時間体制で実施しています。
その他、公共交通機関やショッピングモール、ホテルなどでは、通常の消毒液の設置に加え、衛生管理を強化しています。
また、タイ保健省は、感染予防の徹底を公式Facebookなどで呼びかけています。
新型コロナウイルスの感染予防対策
個人で出来る感染予防対策は限られていますが、最後にいくつかご紹介します。
マスクの着用
予防効果が疑問視されているマスクですが、飛沫感染のリスクをある程度抑えることができます。
また、接触感染から物理的に守ってくれる効果もあるので、人混みでは必ず着用しましょう。
ポイントとして、
①ウイルス対策用で顔にフィットするタイプを選ぶ
②こまめな交換
③捨てる際はウイルスの付着している表面は触らない
などが挙げられます。
手洗いの徹底
徹底した手洗いは、接触感染の予防に効果的です。
政府広報オンラインにて掲載されている「正しい手の洗い方」が分かりやすかったので、引用させてもらいました。ぜひ参考にしてください。
引用:政府広報オンライン 正しい手の洗い方
手洗い後には、消毒用のハンドジェルなどを使用すると一層効果的です。
適切な湿度をキープ
ウイルスは湿度が低くなると空気中を浮遊しやすくなり、鼻や口に入りやすくなります。さらに空気が乾燥すると、粘膜の防御機能も弱まります。
予防のためには、適切な湿度(50~60%)を保つことも非常に大切です。
免疫力を落とさない日々の体調管理
大前提とも言えますが、やはり免疫力を落とさないことが肝心です。
バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠。
ウイルスを寄せ付けない、負けない身体づくりが”最高の盾”かもしれません。